『セオラー宣言』ドラフト置き場

R大学I氏は寿司が好きだった

トピカリティの要素なるもの

トピカリティは一般的に、インパクト、スタンダード、ディフィニション(あるいはインタープリテーション)、バイオレーションの4つの要素を満たして初めて成立すると説明されます。しかし、これらの要素にはまったく用事がないので存在自体を忘れてください。

これらの要素を意識することで思考や説明がすっきりするなんてことはありません。そもそも、これらの要素もご多分に漏れず、有用だから確立されたのではなく、単にこういう風にモデル化してみたらそのまま定着したというだけの話なので、これまでも特にこれらの要素が役に立ったことなんてないのです。

また、特にバイオレーションについては「定義の失敗」が頻繁に発生しているので、その意味でもこんな要素は忘れてしまった方が賢明です。「バイオレーションがない」という根拠で切られるトピカリティの多くは実際には成立しています。本来、AFFの議論がレゾリューションの肯定的評価につながらないことを示しているトピカリティはすべて成立しているのであり、「バイオレーション」がトピカリティの必須要件として設定された術語であれば、成立したトピカリティは例外なくバイオレーションを満たすように定義する必要があります。これを逆に、まず「バイオレーション」を定義し、それを満たすトピカリティのみが成立していると考えるから間違えるのです。

トピカリティにおける議論を考えたり、説明したりする手順について、ここまで一般的に活用できる有用なパターンが確立されるというのはちょっと考えにくいですし、少なくともまだ確立されていません。トピカリティについて考え、説明するときは、こんな要素など考えず、普通に「AFFの議論がレゾリューションの肯定的評価につながるかどうか」を考え、ケースバイケースでより簡潔で厳密な説明の仕方を工夫すれば良いのです。