『セオラー宣言』ドラフト置き場

R大学I氏は寿司が好きだった

いちごTのルサンチマン

いちごTとは、レゾリューション中の一語のみを取り上げてレゾリューションの意味を分析するトピカリティのことです。いちごTは一般的に悪いものとされていますが、まったく悪くありません。

いちごT悪玉論の最も一般的な根拠は、いちごTの意味分析に従うとレゾリューション全体としては意味が破綻する(俗っぽい言い方で言えば「トータルインタープリテーション」がアンリーズナブルである)ということでしょう[1]。しかし、レゾリューションの意味が破綻しているのであれば、レゾリューションは肯定できない(もちろん否定もできない)ので、このようないちごTであっても「ケースを無効にする」というトピカリティの目的を達成していることは、成立した意味の下でケースのレゾリューションとの不一致を指摘するトピカリティと同様です。

もう1つ根拠として挙げられるのは、「レゾリューションはセンテンスなのであり一語のみ分析しても無意味である」といったところでしょうか。センテンスの意味を説明する上で、特に問題として取り上げる一語のみにフォーカスすることは可能ですし、多くの場合は語か句レベルにフォーカスするのが有効でしょう。そもそも、この根拠でいちごTが否定されるのであれば、語学教材の解説はほとんど方法論レベルで間違っていることになってしまいます。

 

[1] この場合の「いちごT」の意味は、レゾリューション全体の意味が破綻するものに限定されています。