『セオラー宣言』ドラフト置き場

R大学I氏は寿司が好きだった

カウンターワラント

「カウンターワラント」とは、ある政策の具体的なやり方の中に望ましくないものが含まれることを示すイシューです。具体的なやり方の中に望ましいものが含まれていても、望ましくないものもあれば、その政策は否定されるというのがカウンターワラントを擁護する根拠です。余裕で間違いです。

例を挙げましょう。「ラーメン屋に行く」という政策に対して、「今いる地点から直線距離でラーメン屋まですべてをなぎ倒して行ったら甚大な被害が出るから、この政策はダメだ」というのがカウンターワラントです。

こういった望ましくないやり方はどの政策にもいくらでも存在しますから、カウンターワラント擁護論が正しいのであればすべての政策を否定しなければなりません。誰でも人生の中で「ラーメン屋に行く」という政策を全面的に肯定した経験はあるでしょうし、今でもその判断は絶対に間違っていなかったと断言できるケースはいくらでもあるでしょう。そのすべてのケースで私たちはカウンターワラントにはまっていますが、その判断を曲げる気にはとてもならないでしょう。

実際には、政策の是非はその具体的なやり方の内最適と思われるものを参照して判断しています。もちろん、その判断に対して「~べきだ」とか「should」と言って問題ありません。そもそも、わざわざ最適なやり方を敢えてはずして政策を実行する必要などない以上、生活における損得に関わるのは最適なやり方だけですから、政策の是非の判断とそれに適用する言語がこのようになっているのは合理的であり、必然でしょう。